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すてきな誕生日

土地が決まった私達は、
早速グッディーさんと家の間取り図面に取り掛かりました。
ようやく、家作りのスタートラインに立てたといった感じでした。

ここに至る以前にも既に、
私はお気に入りのインテリア雑誌に付箋を山ほど付けたものをお預けしたり、
(しかも1冊や2冊ではなく…)

この映画の主人公が暮らしているアパートメントのインテリアが素敵なんです
と言ってみたり、
image[1] image[11]


この料理研究家の御自宅のキッチンが理想なんです
と言ってみたり、
image[3]
かなり無理難題をグッディーさんに押し付けていました。


設計士の近藤さんが以前から作ってくれていたラフ案をもとに、
キッチンは絶対対面式とか、
脱衣所に洗濯機は置きたくないとか、



シューズクロークからそのままスルーで家事室とキッチンに行きたいとか、
私のわがままをまるでパズルを組み合わせるように、
方眼用紙の上でくるくると組み合わせてくれるんです。


そして最終段階に入って、前々からお話だけは聞いていた、
一級建築士の先生が登場されました。

これは私の勝手なイメージというか妄想だったのですが、
都内に事務所を構える男性の一級建築士の方と聞いて、
某リフォーム番組で冒頭に颯爽と登場するような、
モノトーンのおしゃれスーツに首もとにはスカーフの一枚も巻いたりしてる、
ロマンスグレーの神経質そうな面長紳士…みたいな方を、
本当に勝手に想像してました。
imageCAWCIE93.jpg


しかし実際打ち合わせに来てくださった浅海先生は、
「あ、どうも」
と気さくな挨拶がチャーミングな、近所のおじさんといった感じの方。
(先生失礼なこと言ってすみません)




この先生が見事なんです。
方眼用紙の上にマジックと修正液を使って、
みるみるうちに間取りを描いていくんです。




これが私達の家なんだと思うと、
思わず目頭が熱くなりました。
私のわがままを集約して、
家のタイプはイタリアネイトになることでまとまりつつありました。


その日はちょうど私の30と数回目の誕生日で、
偶然グッディーさんで打ち合わせをしていました。
息子からそれを聞いたらしく、


打ち合わせの最後にスタッフの皆さんからハッピーバースデイの歌と
かわいいプレゼントをサプライズでいただき、
今度こそ本当に泣いてしまいました。


ここ数年であんなに素敵な誕生日はありませんでした。
本当にありがとうございました。

土地探し(4)

気持ちも新たに、もう暫く土地探しを頑張ろうと決心した頃でした。
本当に降って沸いたように、再び清水さんから土地の話が舞い込みました。

私たちには降って沸いたようでも、
本当は彼女が方々手を尽くして探してくれたものだったのでしょう。
結論から言えば、それこそが私たちの探していた土地でした。

雨の中、社長さん自ら案内してくださったその場所は、
江ノ島を望む海沿いから程近い、古くからの住宅地でした。
古家付きで解体の必要はあるものの、立地や広さ、環境など、
どれを取っても申し分のないものでした。
なによりも、ひと目見てすんなりと「あ、ここだ…」と思えるものがありました。
それまで買い逃しや条件の不一致などで本当に辛い思いをしてきました。
しかし、その経験が本当に手に入れるべき土地を見抜く力になりますと、
辛抱強く言い続けてくれた清水さんの言葉が、本当だったんだと改めて思いました。

01.jpg 02.jpg

ここに骨を埋めるぞ、と主人が言って、
私達はその土地を購入する意思をグッディーさんに伝えました。
不動産業者とのやり取りや金融機関との契約など、
はじめて尽くしでちんぷんかんぷんの私たちには、
グッディーさんが頼りでした。

土地購入の申し込みをしてから契約に至るまで、
気が気でなく何事も上の空の日々が続きましたが、
苦労の甲斐あって私達は、8月の終わりにようやく
捜し求めた土地を手にすることが出来たのでした。

土地探し(3)

再び暗礁に乗り上げたように見えた私たちの土地探しでしたが、
そこは清水さんが迅速に動いてくださいました。
当時、私たち夫婦は彼女のことを「鉄の女」と呼んでいました。
勿論、悪い意味ではありません。
私たちのようなストライクゾーンの狭い厄介なお客のどんな要望にもへこたれず、
なんとか条件に適う物件を探し出してくる。
その打たれ強さというか、不屈の精神が、まさに鉄の女と呼ぶに相応しい具合だったのです。

季節は確か、半袖を着はじめた頃だったと思います。
彼女は私達に、モノレール沿線の駅から徒歩2分という物件を紹介してくれました。
朝夕はこの湘南地域でも指折のお嬢様校として有名なあの学校の生徒さん達でごった返す駅でした。

閑静な住宅街の一角で、日当たりのいい角地。
文句無しに見えました。しかし、実際現地に行ってみると土地を取り囲んでいる擁壁に難ありでした。
昭和2、30年頃の物と思われる苔生した擁壁は、それ自体趣があっていいのだろうけれど、
どうも私たちの求めるイメージとは違うような気がする。
既存の擁壁を新たに作り直すことは資金的にもほぼ不可能な話で、
かと言ってもう悠長に土地探しをしている暇はない。
もう、ここしかないのだと自分達に言い聞かせて決断するべきなのか。
それともまた、いつ出てくるか分からない物件情報をストレスを溜めながら待つのか。
またしても私達は煮詰まってしまっていました。



そんな余裕の無い状況を、清水さんは分かってくれていたのでしょう。
グッディーでお家を建てられた他のお客様のお宅にお邪魔してみませんかと、
このとき提案してくれたのです。
最近出来上がったばかりのお宅二件と、建築中のお宅一件を案内してくれました。

建築中のお宅は勿論、今現在暮らしてらっしゃるお宅まで見せていただくなんてととても恐縮しましたが、
実際にお宅を見せていただけたことはとても貴重な経験でした。
それまで紙の上でイメージするしかなかったものを実際に目にすることが出来るというのは、
文字通り百聞は一見に如かずでした。
そして何より、こんな素敵なお家を手に入れる為なんだからもっと頑張らなきゃと、
ちょっと落ち込んでいたところに元気をいただけました。
大きなガレージとお子様のお部屋のかわいい小窓がとても印象的だったN様邸、

まるで映画のようなハイセンスなインテリアと風格ある
ニャンコちゃんが素晴らしかったH様邸、


明るく広々とした吹き抜けのリビングがなんとも居心地が良く
ついついお茶までご馳走になってしまいましたY様邸、


皆様本当にありがとうございました。
この場をお借りしてもう一度お礼を申し上げます。

土地探し(2)

土地探しを暫く休みたい…。
主人からの電話を受けた清水さんは直ぐに私の携帯に連絡をくれました。
私共の力が及ばず、と彼女は何度も謝ってくれましたが、
こればかりは誰が悪い訳でもないんです。
土地探しって、本当に運とタイミングなんだと思いました。

このとき主人は本当に1年位土地探しを中止するつもりでいました。
手に入るかも、そう期待しては、やはりダメだったと落胆する。
その気持ちの乱高下に正直私たち夫婦は参っていました。
こんなに辛い思いをするくらいなら一生賃貸暮らしでも構わないから、
心穏やかに過ごしたい。
そんな風にメンタル面で弱っていた私たちを、
清水さんは的確にサポートしてくれました。

彼女と相談し、私は主人には内緒でグッディーさんと土地探しを進めました。
確かに私自身辛かったですが、家族のこれからのことを考えると、
もう待てませんでした。
清水さんは鎌倉市内の在庫物件をもう一度精査して、
私たちの希望と予算に適うものを探し直してくれました。
もう二度と買い逃しをするまいと、
いつ何時でも現地に付き合ってくれました。
社長さん自ら車を運転して案内してくださったことも。

そうしてひと月程探した頃でした。
ようやく、ここならという土地に再び出会いました。
土地面積も買い逃したあの土地とほぼ同じで、
価格も希望に副う程度で纏まりそうだという、売り出し前の土地でした。
閑静な住宅地の一画で、海は直ぐそこでした。
これならばと思った私はここではじめて主人に事情を説明し、
その物件の詳細をみせました。
土地探しは中断しているものと思っていた主人は驚いていました。

家族で現地を見に行って辺りを歩いてみて、
これならば文句はないだろうという結論に一度は至りました。
主人も納得して、この土地を買おうと心を決めたように見えました。
土地購入など人生初めての経験です。
何か、迷いが残るような気がするのは、初めてのことに動揺しているからだと、
今にして思えば、夫婦で無理やり納得しようとしていました。
しかし、冷静になればなる程、やはり気懸かりは消せませんでした。
その土地は、小学校が遠かったのです。
学校に通う為には、交通量の多いうえに歩道の細い幹線道路を、
片道2キロ歩かなければなりませんでした。
親のわがままのしわ寄せが、子供に行くようで決心が付きませんでした。
広さと価格と立地を照らし合わせても、他にもあると直ぐに諦められる場所ではありませんでした。
夫婦で何度も話し合い、それでも結論を得られずに居たとき、
思わぬ連絡がグッディーさんから入りました。
売り主が、約束していた価格では土地を手放さないと言ってきたというものでした。
がっかりしたというより、私は少し安堵していました。
改めて、土地探しの難しさを実感すると共に、
何か気懸かりのある土地を買えば、その先ずっと後悔が残るのかもしれないという結論を得ました。

土地探しは再び振り出しに戻りましたが、私たちはこうやって少しずつ、
本当に手に入れるべき土地を見抜く、目のようなものを養っていきました。





土地探し(1)

グッディーさんにお手伝いして貰いながら土地探しを始めて、
私たちは改めて鎌倉に土地を持つ事の難しさを目の当たりにしていました。

まず物件の絶対数が少ない。そして、高い。
これに尽きるのです。
何を今更という感じですが、本格的に土地探しをはじめて、
改めて私たち家族はこの現実に叩きのめされていました。

グッディーさんと土地探しをはじめて一ヶ月が経った頃でした。
主人がネットで、ある土地を見つけました。
坪数は50坪ちょっとで、二駅利用可能で学校やスーパーも徒歩圏。
価格は相場よりもだいぶお買い得で、
そして何より、海まで歩いて遊びに行ける距離でした。
まさに、どんぴしゃでした。
海の近くに住みたいというのは、家作りに尽いて何ひとつわがままを言わない主人の
たったひとつの望みでした。

土地の下見に行ったその日は、ひどい雨でした。
同行すると言ってくれたグッディーの清水さんの申し出を、
雨が酷いからと私たちは一先ず断って、家族だけで出掛けました。
あの時、彼女に一緒に来てもらっていたら状況は変わっていたかもしれません。

私たちが土地購入の申し込みをしたのは、その2日後。
しかし蓋を開けてみれば、その僅か一日前に他の申し込みが入っていました。
まさにタッチの差で、私たちはようやく見つけた希望に適う土地を買い逃しました。

あの時の主人の落ち込み様は、後にも先にもない程に酷いものでした。
ようやく、ようやく叶うと思った夢が消えて無くなった。
まさにそんな状態でした。
食事もろくに喉を通らず、ありもしない原因をぶつけて夫婦で言い争うばかり。
あまりのショックから立ち直れず、
とうとう主人は土地探しを暫らく休みたいとグッディーさんに伝えてしまったのでした。